国外でも普及する「今年の漢字」について

今年の漢字は漢字文化圏の諸外国でも普及

今年の漢字は漢字文化圏の諸外国でも普及

毎年末に「今年の漢字」が発表されることが一般に定着されています。

これは、漢字検定で知られる公益財団法人・日本漢字能力検定協会が漢字に関する啓発および広報活動で、その年の世相を最も表す漢字一文字を公募によって選出して発表するものです。

平成7年に第1回が行なわれて以降、毎年の年末行事として定着して、昨年(平成26年)が第20回となりました。

発表は、12月12日に京都府の清水寺で行なわれます。

12月12日は「いい字一字」の語呂合わせから「漢字の日」とされています。

「今年の漢字」は、その年の景気や印象深い出来事、事件などを表現する漢字一文字が公募によって選抜されます。

過去の漢字を振り返ってみると、確かに1年を象徴する漢字が選ばれています。

例えば、2001年は「戦」が選ばれています。

この年には、米国で同時多発テロが発生したことが強烈な印象として残ります。

再び戦争が始まるのではないかという不安を感じさせる1年でした。

他にも、世界的に経済不況が始まった年とも言われて、多くの人が日々の生活との戦いを印象付けられた1年と言えます。

公募による2位と3位には「狂」「乱」が選ばれていますので、良い1年であったとは言い難い年でした。

2007年には「偽」が選ばれました。

この年には多くの企業で食品偽装問題(産地偽装、賞味期限改ざん等)が発覚して、人々の暮らしの影響を与えました。

一方、政治の世界でも年金記録や使途不明な政治資金など、いくつかの偽りが発覚し、政治不信となる要因がありました。

逆に、2011年には「絆」が選ばれました。

この年に発生した東日本大震災は今でも記憶に残る悲惨な災害で、多くの死傷者や不明者も発生して、被災地の復興もまだまだ収束しているとは言えません。

しかし、この災害救助や復興支援には日本のみならず、海外からも多くの援助がありました。

この災害は国民の生活を一変させるほどの大災害でしたが、それ以上に、日本や諸外国という垣根を越えた世界レベルで人間の強い絆を感じさせられた1年と言えます。

つまり、今年の漢字を見ることで、後々にその年のことが振り返ることができます。

このように、選ばれる漢字は、必ずしも日本国内での世相とは限らず、世界も含めた世相であることが大きな特徴です。

なお、「今年の漢字」は日本だけの行事ではありません。

中国や台湾、マレーシアなどの漢字文化に所縁のあるアジア諸国でも行なわれており、それぞれの国および国を取り巻く環境を表す漢字が選ばれる行事が行なわれています。

漢字は、これらアジアの一部でのみの使用される言語であり、文化ですが、漢字に所縁のない欧米などの諸外国でも1年を振り返る行事はあります。